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いなかの猫の天邪鬼部屋

チェ・ウンス - PIETA

チェ・ウンス - PIETA

※PIETA(ピエタ)/
マリアが死んだキリストを膝に抱いて哀悼する姿を、描いたり彫刻したりした作品を、ひっくるめてピエタと呼ぶ。
ルネッサンス時代の彫刻家ミケランジェロの3大彫刻(ダビデ像、ピエタ像、モーゼ像)の中で一つで最も完成度がある作品に挙げられ、ミケランジェロの作品の中で唯一名前が記録されている程の名作に挙げられる。
ピエタはイタリア語で'慈悲'という意味を持ち、神聖な母を指してもいる。

チェ会長の娘であり'チェ・ドウ'のたった一人の妹。善人で美しく、曇りのない温室の中で花のように育った。
だが、父と兄から自分に向かった愛とは別個に、違う残酷さがある事を悟り、いつからか傷付いた人達に許しを請う事が自分の任務だと感じるようになる。
兄'チェ・ドウ'の野心のために人生が壊された'キム・シン'と出会うようになり、彼に好奇心を持つようになり、温室の外の世界に出るようになる。


兄のために傷付いた人々、私が抱いてあげるから…
この全ての世界が痛々しく思う女チェ・ウンス。
天使、温室の中の世界を脱いで出る!


屋根裏部屋で世界を聞く花
チェ・ドウのたった一人の妹であるチェ・ウンスは、アン・ギョンテとは少々違う意味で世界と断絶された感じを与える。一人で歩いた事がない世界に行こうとしても、何も出来ない。
そんな彼女は毎回オ理事や他の人達がチェ会長を訪ねて来たり、兄が父と対話をする時、いつも屋根裏部屋に上がって行く。世界には自分の父と兄によって傷付いた人達があまりにも多いからだ。
だが、直接経験せず屋根裏部屋で聞く世界は、まだ彼女にとって怖くはなかった。

父と兄のために傷付いた人々を手伝う
チェ・ドウが金と事業のために人を踏みにじる事を躊躇しない悪魔なら、チェ・ウンスはそんな兄の妹とは考えられないほど天使の心を持っている。
彼女は父と兄の野心によって傷付いた人々を訪ねて行き、謝罪をして許しを請う事を自分の義務と思った。
勿論、人々は彼女を理解出来ず、彼女の言葉のように'頭のおかしい女がふざけている'と悪口を言い後ろ指を指したが、平素と変わらない自分の仕事をする中で、温室の中の花は、世界の風浪を全て受けたようなキム・シンと会う事になる。

温室の外に徐々に出て来る花
彼女はキム・シンに一抹の好奇心を持つようになる。
そうするうちにキム・シンと彼の一味が、自分の父を相手に巨大な詐欺を打っているという事実を知る事になる。
ドリームチームに彼女は、父がもしも金がなければ私達は幸福になれるかもしれないと言い、彼らに父の金を持って行ってと言い、彼らの計画に同参する事になる。
彼らの詐欺劇に加担しながら、温室の中の花だったチェ・ウンスは少しずつ決断力を持ち、世界を知る女人に変わって行く。
そんな渦中で、彼女はキム・シンと妙な愛の気流を形成するようになり、そうして彼女の兄でありキム・シンの敵であるチェ・ドウが彼女から徐々に遠くなって行った。
だが、そうなればなるほどチェ・ウンスに対するチェ・ドウの執着は狂気に変わって行った。

天使と悪魔、チェ・ウンスとチェ・ドウ
ドラマ<ナムジャイヤギ>を見て、省く事が出来なかった部分はまさにチェ・ドウ-チェ・ウンスの兄妹の事だ。
彼らは兄妹であるにもかかわらず、極と極の姿を持っていたが、水と油のような存在ではなかった。むしろ、はめるとぴたりと入るパズルのようだった。
悪魔のようなチェ・ドウが唯一人間のように見える瞬間は、まさにチェ・ウンスが一緒にいる時だった。チェ・ウンスは彼女の兄を止める事が出来る唯一のブレーキであり、チェ・ドウが彼女に言ったように、彼の'心'だった。
そんな兄を止めるためであっても、チェ・ウンスはチェ・ドウの傍に戻るが、誰もチェ・ウンスがチェ・ドウのために死ぬとは予想出来なかった。

世界を去ったウンス、だが彼女は永遠だ
チェ・ドウの狂的なチェ・ウンスへの執着は、結局彼女を死に追いやる結果を招く。キム・シンを亡き者にしようとした計画に、予想しなかったチェ・ウンスが挟まり、彼女が銃に当たり、チェ・ドウは理性を失い彼女を無条件で病院から奪い出し、他の場所へ連れて行こうとする。だが、その過程でチェ・ウンスは結局死んでしまう。
だが、彼女は去ったのではなく、目に見えない、だが、作家の言葉を借りれば、彼女の真の形態である民主主義という姿で私達の傍に存在している。
人は金で自由を得るのではなく、まさに人によって自由を得るという事だ。
温室の中に閉じ込められていたチェ・ウンスが人間キム・シンによって世界の外に出て来る事になったように…


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